演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

腎移植患者の生活管理

演題番号 : WS-06-4

伊澤 由香:1、森田 伸也:2、篠田 和伸:2

1:慶應義塾大学病院看護部、2:慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

 

腎移植は一部の臓器移植と異なり救命のための治療ではない一方,腎不全が進行し透析を免れない状況となれば,将来的には透析治療に伴う様々な合併症の発症に対する管理を要し,生存率にも影響するといわれている.
たとえ腎移植を受けられたとしても,服薬や血圧や食事などの基本的な生活管理が継続できなければ移植腎機能を保持することが困難となり,生着期間に影響が出るだけでなく,免疫抑制剤の副作用による糖尿病の悪化や新規発症の可能性もある.当院では腎移植の有無にかかわらず糖尿病の治療管理は糖尿病専門の内科医が行っている.指導・教育においては,病棟看護師は移植前の検査入院時から自己管理の習慣化を目指した指導を開始し,移植目的入院時には自己管理能力を再評価する.退院後には病棟または外来看護師による生活管理全般の状況把握を行っている.2010 年より腎移植外来に腎臓内科医師が加わり,術前,術後の患者管理に参画するようになり診療の幅が広がった.また,同時期よりレシピエント移植コーディネーターは移植を希望する患者と関わり始める最初の段階から,患者自身が「臓器提供を受ける意味」を考えた上で移植意思を決定できるように,自己管理が生涯重要であることを伝えている.
HbA1c の高値および肥満が改善されず糖尿病治療の効果が現れない患者に対し,食事や生活習慣を見直すために,内科管理下での教育入院を検討されている患者がいる.しかし,各々の理由から外来管理を強く希望され,行動変容に至らない状況が続いている.このような患者らに対して,腎移植外来では,患者にとってのなんらかの社会生活上の転機が訪れた際に,そのタイミングを行動変容のきっかけに繋げられるよう,根気強くモニタリングを続けている.
過去2 回にわたり,当院でフォローしている腎移植後の患者を対象に栄養調査を行った.糖尿病を合併した患者から得られた結果を踏まえて,移植施設としてできることを考察していきたい.

前へ戻る