演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

腹膜透析患者の生活管理

演題番号 : WS-06-3

北川 由佳:1、宮田 はるみ:1、高木 都子:1

1:名古屋大学医学部附属病院血液浄化部

 

我が国の糖尿病患者は890 万人,予備軍を含めると2200 万人とも言われている.現在血液透析を選択する患者の原疾患第1 位は糖尿病性腎症であり,また腹膜透析に関しても慢性糸球体腎炎と並びほぼ同等となってきている.糖尿病による末期腎不全患者の特徴としては,虚血性心疾患,心不全,脳血管障害などの血管関連疾患が多く,その他にも視力障害があげられる.なかでもASO や動脈硬化,末梢神経障害による下肢の血流障害はADL を下げる大きな要因となり歩行障害をきたしやすい.このような合併症の併発は,自己管理を主体とする腹膜透析の維持を困難とし,患者の意思のみならず患者を取り巻く家族や社会環境に大きく影響を及ぼす.
過去には糖尿病性腎症は糖負荷や除水量等の問題から腹膜透析に不向きとの見解もあったが,近年では体液量の変動が少なく血糖も安定しやすいことや,心負荷・動脈硬化によりシャント作成が出来ない患者には,むしろ腹膜透析の方がすぐれた治療法として考えられている.当院では腹膜透析患者の約35%が糖尿病を有しており,この治療を円滑に長期間継続するには腹膜透析に関連する様々な問題や合併症を回避出来るよう他職種の医療スタッフの介入を行っている.当院における看護師主体の腹膜透析患者の指導・管理として,糖尿病患者に限らず生活・緊急時・災害・導入期という項目に指導内容を分けて設定し,年1 ~2 回の割合で腹膜透析患者指導を行っている.特に生活指導では,有効的な手洗いの方法やバック交換の手技,日常生活の聞き取りと問題点を抽出し腹膜炎予防に向けた取り組みを行っている.また糖尿病性腎症の患者にはフットケア外来を活用し,他職種・他部門で合併症の早期発見・予防に努めている.
今回,当院での腹膜透析における生活管理全般の取り組みを報告する.

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