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開催回
第62回・2017年・横浜
 

各領域におけるアフェレシス技術の展望~急性肝不全におけるアフェレシスの展望~

演題番号 : WS-05-5

阿部 貴弥:1、小畑 拡嗣:2、阿部 富彌:3

1:岩手医科大学附属病院泌尿器科、2:名手病院、3:慈誠会記念病院

 

1981 年犬山シンポジウムにおいて「劇症肝炎」の診断基準が発表された.しかし欧米の定義と整合性が取れないことや原因としてウイルス性が少なくなったことなどより2011年に「急性肝不全」の診断基準が新たに作成された.その中で,正常肝ないし肝予備能が正常と考えられる肝に肝障害が生じ,初発症状出現から8 週以内に,高度の肝機能障害に基づいてプロトロンビン時間が40% 以下ないしはINR 値1.5 以上を示すものを「急性肝不全」と診断し,急性肝不全は肝性脳症が認められない,ないしは昏睡度がI 度までの「非昏睡型」と,昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症を呈する「昏睡型」に分類すると定義された.急性肝不全は多臓器不全を呈することが多く,根治的治療である肝移植を前提とした意識覚醒率の向上と合併症予防など全身管理が重要である.その全身管理の中心は,薬物療法などの内科的治療とアフェレシスによる人工肝補助療法である.人工肝補助療法として用いられるアフェレシスは,肝性昏睡起因物質などの除去を目的とした血液濾過透析と肝合成能低下により不足する凝固因子などの補充を目的とした血漿交換が中心である.
血漿交換は補充液として用いられる新鮮凍結血漿に含まれるクエン酸などの悪影響を減らすべく血液(濾過)透析を併用するのが一般的である.またその併用方法に関しては,各施設において様々な方式が検討されている.血液濾過透析に関しては,厚労省班会議のワーキンググループよりhigh-flow CHDF や清浄化した透析液を補充液として用いるon-line HDF を第一選択とするべきとの報告があり,これらの治療法により,覚醒率が更に上昇することが期待されている.
今後,アフェレシス技術の進歩や急性肝不全の特殊性に合わせた治療機器の開発が行われており,更なる発展が期待される.

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