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開催回
第62回・2017年・横浜
 

腎疾患におけるアフェレシスの展望

演題番号 : WS-05-3

古市 賢吾:1、和田 隆志:2

1:金沢大学附属病院血液浄化療法部、2:金沢大学大学院腎臓内科学

 

アフェレシス療法は,種々の疾患において有効性が示されている.腎領域においてもループス腎炎,ANCA 関連血管炎,クリオグロブリン血漿,ABO 不適合腎移植などに対して,アフェレシス療法が行われている.アフェレシス療法は,物理的に疾患の原因物質や細胞を除去できる治療法であり,原因物質が特定されている場合においては,良い適応と考えられる.一方,種々の投薬による治療にも関わらず十分な蛋白尿減少効果が得られない症例や,十分な治療を施行することが難しい症例において,必ずしも原因物質や細胞が特定されていない場合でも,病態からの類推からアフェレシス療法が試みられている病態もある.脂質管理のための治療選択肢の一つであるLDL コレステロール吸着療法は,POLARIS 研究などにおいて,巣状分節性糸球体硬化症をはじめとした難治性ネフローゼ症候群に対するその有用性が示されている.当科における検討でも,これまで治療不完全寛解I 型あるいは完全寛解に至らなかったネフローゼ症候群にLDL アフェレシス施行したところ,LDL アフェレシス施行4 週目において58% の症例に尿蛋白が50% 以上の減少をみとめた.これらの症例は,最終的に完全寛解または不完全寛解I 型に至る症例が非有効例に比して多かった.また,LCAP 療法も同様の病態に有効である場合がある.当科の検討では,64%の症例で最終的に不完全寛解1 型に導入され,27%は完全寛解となり,長期腎予後も良好であった.これまでのところ,ネフローゼ症候群に対するLDL アフェレシスおよびLCAP 療法施行において有害事象は認めていない. さらに,重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症に対して,先進医療制度下で先進医療A として「LDLアフェレシスの重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症に対する多施設臨床試験」(LICENSE 研究)を平成27 年度より実施し,その有効性及び安全性についての検討をすすめている.これら新たの試みの中から,病態に関連する物質や細胞の検索も期待されている.本講演では,腎領域におけるアフェレシス療法の現状と,課題について提示したい.

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