演題情報

ワークショップ

開催回
第62回・2017年・横浜
 

選択的血漿交換の展望

演題番号 : WS-05-1

大久保 淳:1、瀬島 啓史:1、宮本 聡子:1、岡戸 丈和:2

1:東京医科歯科大学医学部附属病院MEセンター、2:東京医科歯科大学医学部附属病院腎臓内科

 

自己免疫疾患におけるアフェレシス療法の目的は,大分子量の病因物質(液性免疫)の除去である.これらの自己抗体(病因物質)の多くはIgG 分画に属し,さらに個々の自己抗体はIgG1 ~IgG4 の特異的なIgG サブクラス(IgGs)に分類されている.本邦での自己免疫疾患におけるアフェレシス療法は,血漿交換療法(Plasma Exchange :PE)や二重膜濾過血漿交換療法(Double Filtration Plasmapheresis :DFPP), 免疫吸着療法(Immuno Adsorption Plasmapheresis:IAPP)が施行されているが,いずれも凝固因子の低下が問題となる.選択的血漿分離器EvacureEC-4A10(EC-4A)は,凝固因子を保持しながらIgG 除去が可能であり,さらにサイトカインの除去も可能である為,近年EC-4A を用いた選択的血漿交換療法(Selective PE:SePE)が注目されてきている.本学血液浄化療法部では2012 年よりSePEの施行を開始し,現在までに400 回程度の施行経験がある.EC-4AのFib の篩係数(S.C.)は0,凝固13 因子は0.17 であり,凝固因子の除去が少ない為,SePE は置換液にAlb 溶液を用いて施行する.置換液濃度は,Alb のS.C. が0.75 である為,25% Alb50ml バイアルと乳酸リンゲル液,浸透圧調整に10% Nacl を用いて,治療前の患者血清Alb 濃度の0.75 倍にて作成している.置換液量は,IgG のS.C. が0.5ではあるが,患者循環血漿量(Plasma Volume:PV)の1.1 倍程度で施行している.実際IgG は50%程度除去可能であり,Fib や凝固13因子は20%程度の低下に抑えられている.IgGs もまんべんなく除去可能であり,IgG 領域の抗体除去治療に有用であると考える.一方分子量の大きいIgM は除去できないが,IgM は病原体が侵入した際に最初に産生され,感染の初期防御に極めて重要な役割もある.SePEはPE やDFPP に比べ感染制御に対して有用である可能性もある.本ワークショップではSePE の連日施行や小児への適応などの展望についてディスカッションしたい.

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