演題情報

シンポジウム

開催回
第62回・2017年・横浜
 

透析導入期の看護~患者指導の現状と課題~

演題番号 : SY-16-4

清水 真紀:1

1:横須賀共済病院

 

導入期の患者の身体は透析療法により毒素や過剰な水分が除去され,めまぐるしく変化する.また,透析治療や生活の再構築への不安などがあり,精神的にも不安定である.透析導直後の患者は生活や心身ともに変化する大変な時期であり,新たなセルフケアを習得することは患者にとって大きな負担となる.当院は入院患者の維持透析および導入施設の役割を担っており,透析導入人数は約110 名/年である.2016 年の当院の導入患者の平均年齢は71.53 歳であり,日本透析医学会の2015 年末調査における平均年齢69.20 歳と比較し,2.3 歳高齢化している.高齢者では,理解力や病気に対する認識に個人差がかなりあることや,視力や聴力などの身体機能が低下しているため,患者指導には十分な配慮と指導目標のアセスメントが重要であり,高齢者世帯,老老介護など高齢者を取り巻く社会的背景にもしっかり目を向けた導入期指導が必要である.透析導入時は7 日間の導入時クリティカルパス(以下CP とする)を使用し,不均衡症状や自己止血の方法,食事療法,体重管理,シャント管理などの指導を行っている.このCP は病棟だけでなく透析室でも使用し,同じ目標で導入期指導にあたっている.しかし,導入後すぐにクリニックへ転院するため継続的な関わりができず,退院後の指導は透析クリニックへ委ねているのが現状である.患者のセルフケア習得や透析の受容過程において,導入病院と地域の透析クリニックで共通した系統的な教育を実施していくことは重要と考える.当院の取り組みとして,地域の透析クリニックと定期的に会議を行っており,患者の情報共有や各施設の状況報告,施設見学など行い,それぞれの施設の地域における役割をお互いに理解するとともに導入時指導に対する評価の場ともなっている.今後は透析導入期の患者に対する継続看護ができるような連携システムを構築していくことが課題であると考える.最近では入院期間の短縮により透析導入後1 ~3 回の透析で退院して外来通院透析に移行するケースが多く当院も同様である.今回は透析導入期の患者の身体的・心理的・社会的状態への理解を再認識し,導入施設の透析導入期に求められる看護師の役割と今後の課題について考えたい.

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