演題情報

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開催回
第62回・2017年・横浜
 

数理解析に基づく黄色ブドウ球菌病原性発現の早期抑制法の検討

演題番号 : P-1-558

濱田 浩幸:1、岡本 正宏:1

1:九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門

 

【目的および方法】カテーテル等の出口部感染症起炎菌として知られ,肺炎,髄膜炎,敗血症などを引き起こす黄色ブドウ球菌の病原性発現の早期抑制法の開発が望まれている.Miller らは,AGR system が黄色ブドウ球菌の病原性発現において重要な役割を果たすことを特定した.本研究では,Gustafsson らの数理モデルを多細胞系に用いて,細菌集団のAGR system の活性化を解析し,病原性発現の前症状の抑制法を検討した.
【結果および考察】黄色ブドウ球菌の病原性遺伝子の発現レベルは,マイクロスコピック領域からマクロスコピック領域へと遷移し,その中間のメゾスコッピク領域において顕著な揺らぎを呈した.その揺らぎは,病原性未発現状態(未病)から発現状態(有病)への状態遷移における前症状と考えられた.そして,その前症状の発生を抑制する能力を持つ生化学反応過程を網羅的に探索し,AGR system の活性化を効果的に抑制する治療標的を細胞膜表層に特定した.この治療標的の機能制御が黄色ブドウ球菌の病原性発現を早期に抑制する可能性が示唆された.

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