口演
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透析患者の鉄欠乏関連因子と生命予後 演題番号 : O-0639 大前 清嗣:1、吉川 昌男:1、箕輪 久:1、小川 哲也:2 1:吉川内科医院内科、2:東京女子医科大学東医療センター内科
【目的】維持透析患者ではerythropoietin 慢性投与により中等度以上の鉄欠乏合併例が散見される.今回我々は当院透析cohort を用いて鉄欠乏関連因子の平均赤血球Hemoglobin (Hb)濃度(MCHC)を含む背景因子と生命予後との関連を検討した.
【方法】2006 年4 月以降当院透析database に登録され前向きにdata収集が行われた患者を対象とした.対象例について全死亡と心血管死を目的変数としたCox 比例Hazard 法により予後因子を抽出した.説明変数にはMCHC その他検査値,血圧,年齢,性別,合併症,透析歴,心電図変化,使用薬剤を用いた. 【結果】database 登録中の対象例は407 例で男性249 例, 女性158 例,平均年齢は68.1 歳であった.全死亡は164 例で心血管死は93 例であった.多変量解析から全死亡および心血管死の予後因子としてHb と独立にMCHC が抽出されHazard 比はそれぞれ0.592(p < 0.001),0.479(p < 0.001)であった. 【結論】透析患者の生命予後に対しMCHC 高値が予後改善に働く可能性が示唆された.今後多数例での検討が必要と考えられた. |
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