口演
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キマーゼ阻害薬を用いたシャント狭窄予防の試み(第4報) 演題番号 : O-0008 金宮 健翁:1、金 徳男:2、前田 陽一郎:1、中倉 兵庫:1、高井 真司:2、柴原 伸久:1 1:有澤総合病院、2:大阪医科大学大学院医学研究科創薬医学
【目的】人工血管移植術後の血管狭窄部位のキマーゼ発現の組織学的検討した.
【方法】イヌの大腿動脈,静脈間に人工血管を移植した.偽投薬群,キマーゼ阻害薬群,ACE 阻害薬群に分け,術後1 か月後に組織を採取.免疫染色により肥厚内膜成分とキマーゼ陽性肥満細胞を同定した. 【結果】偽投薬群で人工血管内に内膜肥厚を認めた.キマーゼ阻害薬,ACE 阻害薬投与群で有意に内膜肥厚を抑制した.内膜肥厚部位に線維芽細胞,筋線維芽細胞,人工血管周囲に肥満細胞の集積を認めた. 【考察】キマーゼは肥満細胞の顆粒中に貯蔵されており,アンジオテンシンII 産生やTGF − β1,MMP − 9 の活性化と関連があり,術後の血管内膜肥厚に関与することが示唆された. 【結論】人工血管移植術後の血管内膜肥厚にて,キマーゼ陽性肥満細胞の集積を認め,キマーゼ阻害薬投与で内膜肥厚は抑制された.今後,ヒトの内シャント不全でもキマーゼ阻害薬の有用性が期待される. |
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