演題情報

学会・委員会企画

開催回
第62回・2017年・横浜
 

当院における医療安全への取り組み~指差し呼称の定着とその有効性に関する検討~

演題番号 : GI-02-5

中井 歩:1、山家 敏彦:2

1:東京山手メディカルセンター臨床工学部、2:神奈川工科大学工学部臨床工学科

 

【はじめに】指差し呼称による確認は,意識レベルを上げ確認の精度を向上させるため,ヒューマンエラーの防止に有効とされている.当院では,約5 年前より実践し主にプライミング終了後(開始直前),透析開始直後などの重要操作や確認時においてチェックリストの項目を読み上げながらダブルチェックを行っている.
【自動化装置への更新】2016 年4 月,透析装置および関連機器がメーカの異なる製品に同時更新された.更新後の装置は,従来とメーカが異なるため操作が異なったものとなるが,自動化された運転支援機能を搭載しているため,作業の高効率化,簡便化によるヒューマンエラーの減少など安全操作への寄与が期待された.
【ヒューマンエラーは減少したか?】装置の更新前後7 ヶ月のインシデントレポートを集計した結果,インシデント発生率は更新前0.23%から更新後0.52%と有意に増加した(P=0.03).発生のタイミングは,開始時において0.09%から0.25%に高まり(P=0.04),更新から半年以上経過してもなお月に3 回もの血液流量設定ミスが発生した.開始時は穿刺者,介助者それぞれで確認項目を見ながら指差し呼称によるダブルチェックの実施,自動化による運転支援機能により安全性が高まっていると期待されたが,エラー頻度は増加した.これは,新装置に対する操作の不慣れに加え指差し呼称による安全確認が十分機能していなかったものと考えられる.いかに自動化された装置とはいえ,血液回路の接続やスイッチ操作などを誤ると患者に重大な影響を及ぼす恐れがあり,要所での確認は重要である.指差し呼称は漫然と声を出してチェックするだけでは不十分であり,正しい方法による確認がなされないと形骸化する恐れがある.本シンポジウムでは,当院における指差し呼称による確認の現状分析結果と定着するための取り組み,指差し呼称による確認精度を上げる要素などについて報告する.

前へ戻る