演題情報

学会・委員会企画

開催回
第62回・2017年・横浜
 

透析装置に関する事故対策

演題番号 : GI-02-4

小野 信行:1、中島 正一:1、東 治道:2

1:聖マリア病院臨床工学室、2:聖マリア病院腎臓内科

 

透析療法は平成27 年末で約32 万4 千人の末期腎不全患者に施行され,延命と社会復帰に大きく貢献している.しかし,血液透析を代表とする透析療法は重篤な医療事故や同時多発性の医療事故を引き起こす危険性を有しているため,平成12 年に「透析医療事故防止のための標準的透析操作と感染予防に関するマニュアル」が策定されて以降,平成27 年3 月にはガイドラインとして四訂版を発刊し,わが国の透析医療の安全性向上をめざした恒常的取り組みが行なわれている.
しかし,日本透析医会が実施した平成25 年の1 年間に発生した血液透析に関連する事故の全国調査では,重篤な事故(死亡につながる,入院あるいは入院期間の延長を要する,2 名以上の患者に同時発症する事故)は100 万透析あたり32.4 件発生していた.また,事故との因果関係が明らかでない死亡も含め1 年間で5 例が死亡している.重篤な事故事例の内訳としては抜針,血液回路の離断,穿刺,止血での事故がアクシデント群として多く報告されているが,インシデント群でも抜針が多く,次いで血液回路のセットミスや基本的操作のミス,透析液停止・中断,透析液異常,カプラの血液汚染などの透析装置に関連する項目が挙げられる.また,その影響度は3b(一過性に濃厚な処置や治療を要した高度障害)に該当するものや,1 回の発生で多くの患者に影響を及ぼした事例もある.血液回路のセットミスによる事故とHDF での事故では,自動プライミング装置,オンラインHDF装置使用の特殊性が関与しており,平成14 年の調査ではみられなかった新たな事故である.また,透析液異常は一度に多くの患者に重篤な影響を与える可能性がある事故であり,安全な治療に不可欠な確認検査の工程が行われなかったというきわめて深刻な問題を提起し,規定された日常業務履行の重要性を再度認識する必要がある.
今回の危機管理委員会企画(医療安全)において,「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」の内容を中心に透析装置に関する事故対策の在り方を述べたい.

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