演題情報

学会・委員会企画

開催回
第62回・2017年・横浜
 

愛知県透析医会でのレベル3以上の医療事故報告の取り組み

演題番号 : GI-02-2

鶴田 良成:1

1:明陽クリニック

 

【背景と目的】日本透析医会の平成12 年度医療事故実態把握アンケートの結果,常勤医師,常勤看護師の年間受け持ちHD 回数が多い程,事故発生頻度が有意に少なかった.その理由として有形無形にノウハウの蓄積があるのではないかと推測された.このような貴重な知識,経験を一施設内だけにとどめておかず,たとえば県内単位の地域内HD 施設間で共有し,意見の交換が図られれば,一HD 施設だけでは達成し得ないような,より質の高い,より医療事故,医療ミスの少ない安全な医療,看護が遂行できると考えた.
【方法】愛知県透析医会が平成18 年に愛知県透析セーフティマネージメント研究会(以下,本研究会)を立ち上げ,愛知県内HD 施設に参加を募り,医療事故報告の場を本研究会とした.以後,毎年2 回本研究会を開催してきた.
【プライバシー保護】プライバシー秘密厳守に努め,個人および施設が特定できないかたちで取りまとめてきた.独自の施設コード No.(4桁)を用い,報告用紙を「親展」扱いとした.
【報告内容】1. レベル3a 以上すべて,2. レベル2 以下の誤穿刺,抜針直前の状況,投薬ミスを含む.レベル分類はレベル0,1,2,3a,3b,4a,4b,5 を用いた.
【結果】平成29 年2 月第23 回本研究会開催時点までに参加登録した愛知県内HD 施設数は84 施設,報告事例数は366 例であった.レベル1,2,5 が各々65,150,3 例.平成27 年第20 回本研究会までレベル3,4 が116,2 例.平成28 年第21 回本研究会よりレベル3a,3b,4a,4b が各々25,5,0,0 例であった.事例の内訳は,抜針や回路接続不良による失血,血腫形成130 例,認知症に伴う自己抜針・失血44 例,誤穿刺44 例,処方間違い44 例,回路内凝血,空気混入,A-V 逆接続,等47 例,HD 液供給停止,除水設定ミス,等25 例,転倒,骨折,等15 例,C 型急性肝炎,血液が目に入った,等5 例,その他12 例であった.
【考察とまとめ】1. 認知症患者への対応に各施設が苦慮していた.2.愛知県にて事例報告を共有できるシステムが定着してきた.3. 安全なHD 医療,看護を遂行するため,施設間の利害を越えて貴重な事例報告を共有することは大切と考える.4. 本研究会により医療事故数が減少したかどうかの検証はまだできていない.

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