演題情報

学会・委員会企画

開催回
第62回・2017年・横浜
 

オーバービュー~医療安全への各方面からの取り組み~

演題番号 : GI-02-1

安藤 亮一:1

1:武蔵野赤十字病院腎臓内科

 

透析治療は,比較的高齢で,合併症を有することが多いハイリスクな患者に対して,複雑で侵襲的な治療を集団で,多職種が長時間行うことから,医療事故のリスクが非常に高いと言える.
重篤な事故の内訳をみると,抜針事故が38.7%と最も多く,転倒・転落事故11.3%が続くが,いずれも,死亡事故になりうる事故でで,透析患者の高齢化に関連すると考えられる.
医療における事故全般の対策としては,委員会などの医療安全管理体制の整備,ヒヤリハット報告や事故報告などの内部評価,第三者機関等による外部評価,リスクを考慮した人員配置,職員の教育研修,労働時間など職員の健康管理,標準化等の推進と継続的な改善,医薬品・医療用具等の安全管理などが基本となる.
透析に関連する事故は,透析機器の不具合によるものよりも,ヒューマンファクターやコミュニケーションエラーなどによるものが多いことが報告されている.今後の医療安全への取り組み方の方向として,ノンテクニカルスキルの導入,事故がないことが安全という考え方のSafety-I から安全とは単に事故がないこと以上に物事がうまくできる能力があるという定義のSafety-II(レジリエンス・エンジニアリング)へのシフト,患者の医療安全活動への参加などが提唱されている.
透析施設の責任者には,医療安全文化の醸成とともに,医療事故の防止および医療の質の向上のための方針や具体的な対策を支持することが求められている.
本企画は,各方面からの医療安全への取り組みというテーマで,愛知県透析医会でのレベル3 以上の医療事故報告,腎不全看護学会における抜針事故対策への取り組み,臨床工学技士会から透析装置に関する事故対策,一透析施設における医療安全への取り組みとしての指差し呼称について紹介し,その意義や課題について討論したい.
本企画が,各透析施設における医療安全に資することを期待する.

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