演題情報

教育講演 ベーシック

開催回
第62回・2017年・横浜
 

ナノテクノロジーを用いたマイクロダイアライザー~臨床~

演題番号 : ELB-06-2

菅野 義彦:1

1:東京医科大学腎臓内科学分野

 

血液透析が慢性治療に使われるようになり約50 年が経過した.以後知識や技術の進歩により透析医療が安全に行われるようになり,さまざまな新規薬剤により合併症の抑制が可能になってきた.このことからわが国の血液透析医療は世界でも有数のレベルに達しており,ある意味で完成されたといっても過言ではない.しかしながら患者のQoLは高いとは言えず一般的には週3 回の通院,1 回約4 時間の床上安静による大きな生活制限,また本来48 時間かけて排泄する2 日分の水・老廃物を4 時間で急峻に除去することによる身体的負担とその範囲内に経口摂取量を抑える食事に対するストレスに晒されている.従来こうした問題を根本的に解決するには血液透析のシステムそのものを大きく変える必要があると考えられてきたが,工学技術的な限界があり夢物語で終わってきた.最近携帯型の人工透析装置(Wearable Artificial Kidney)を皮切りに,ナノテクノロジーを用いた新たな透析療法の姿が提唱されている. われわれもかつてcontinuous hemofiltration として臨床的に用いられていた治療を非常にシンプルな装置で実現できるようなインプラント型マイクロ透析システムの研究開発を行っている.着想と初期の実験結果については本学会でも報告しているが,その後の進行状況を報告する.また他の研究グループの活動について現在発表されている範囲での情報を報告する.

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