演題情報

教育講演 ベーシック

開催回
第62回・2017年・横浜
 

腎不全患者の輸液療法のポイント~臨床~

演題番号 : ELB-03-2

井上 勉:1、岡田 浩一:1

1:埼玉医科大学腎臓内科

 

【はじめに】腎機能の低下は水電解質の調整能の低下であり,体液量の過剰と不足,電解質諸検査値の高値と低値,アシデミアとアルカレミアといった,あらゆる異常を容易に生じうる病態といえる.残腎機能によって輸液療法への反応も様々であり,適正な輸液療法を行うために必要な事は,理論や計算式だけではなく,頻回の観察である.朝夕回診時の問診や身体診察に加え,毎日の体重測定,更に,積極的な補正輸液中は必要に応じて連日の採血も考慮される.また,腎不全患者の輸液療法を考える際,臨床的に最も大切で,且つ,難しいのは体液量の評価である.唯一絶対の指標はなく,一度の診察では判断しかねることもあり,日々の経過が重要となる.
【講演要旨】本講演では,腎不全患者を受け持った際の輸液療法について,実臨床上でポイントとなる項目を復習してみたい.まず,幾つかの体液量評価法の有用性と限界について概説する.続いて腎不全を「急性腎障害」「慢性腎臓病」「血液透析中」の3 つの病態に分けて考える.各々の病態に妥当な輸液療法は内容が大きく異なり,特に透析中の場合は透析療法の種類(持続的血液透析か間歇的血液透析か)も勘案しなければならない.持続的血液透析中はカリウムやリンの補正が必要な場合も稀ではなく,十分なエネルギーや治療薬剤を投与するために敢えて輸液量を全く制限しない場合もある.一方,間歇的血液透析の際は,透析一回当たりの除水量には限界が有り,安全に透析を行う為にはおのずと輸液総量が限られてしまう.漫然と維持輸液をしないことが肝要である.本講演では,明日の病棟で,研修医や若いnephrologist が指導医を呼ぶ前に「まず繋げる輸液」を決める為の情報提供を目指している.

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