演題情報

口演

開催回
第60回・2015年・横浜
 

肝臓切除因子による高リン血症抑制機序の解明

演題番号 : O-0601

宮本 賢一:1、辰巳 佐和子:1

1:徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子栄養学分野

 

慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)は早期より全身性のリン代謝異常を呈する疾患である。ネフロンへのリン負荷量の増加はリン利尿因子であるFGF23(Fibroblast growth factor 23)を増大させることで、高リン血症を抑止する。一方で血中FGF23の上昇は左心室肥大を惹起するため問題である。そこでFGF23とは異なる全身性リン代謝制御因子の同定が必要である。最近我々は、腎臓内ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(Nampt)の活性化を介したリン排泄促進機序を見いだした(JASN, 2014)。Namptは全身性に発現しNAD代謝を調節する律速酵素である。我々は今回、腸管Nampt の活性化により、腸管リン吸収を担うNaPi-IIb発現量の著しい抑制、リン吸収の低下をIn vivo, In vitroで認めた。またNampt阻害剤であるFK866により、この効果が完全に阻害されることを明らかにした。本研究成果はリン吸収抑制を介して腎臓へのリン負荷を軽減し、CKDの進展を抑止する上でNampt/NADシステム制御因子の同定は新たな治療戦略の分子基盤となると考える。

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