演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

細胞を用いた蛋白結合性尿毒素インドキシル硫酸の解離特性の基礎検討

演題番号 : GI-09-5

﨑山 亮一:1、清水 聖也:2、山下 明泰:2、峰島 三千男:1

1:東京女子医科大学臨床工学科、2:法政大学生命科学部環境応用化学科

 

【緒言】慢性透析患者の多くの患者で様々な合併症が発症している。その原因の一つである蛋白結合性尿毒素は、血漿中の蛋白質、特にアルブミンと結合することで、透析による除去が困難となり体内に蓄積する。一方、生体の腎臓では蛋白結合性尿毒素が除去されている。そこで、本研究では、細胞を用いた血液浄化システムの構築を目的にしている。今回、血管内皮細胞や腎近位尿細管細胞を用い、アルブミンに結合した蛋白結合性尿毒素であるインドキシル硫酸(IS)の解離を試みた。
【実験方法】ヒト近位尿細管細胞株(HK-2: ATCC)はDMEM/F12+10%FBS培地、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC: LONZA)は、EBM-2培地を用いて、37℃、5%CO2大気下でトランスウェルのApical側で培養した。72時間後、IS-アルブミン混合培地をBasal側に添加し、Apical側とBasal側の濃度を経時的に測定し、溶質の移動や解離を評価した。
【結果&考察】膜のみの系では実験開始から6hまでは、Basal側IS濃度は減少し、Apical側濃度は増大し、8 h目で平衡に達した。HK-2存在下では、実験開始24 hで、Apical側とBasal側のIS濃度が逆転した。これはHK-2細胞に存在する有機アニオントランスポーターによる能動輸送によるものと考えられた。HUVEC存在下では、24 h以降、Apical側とBasal側のIS濃度の推移に大きな違いは見られず、平衡が維持された。しかし系全体のISのmol数は膜のみの系よりも72 h目で115.9%に増加した。HUVECはISのアルブミンとからの解離に影響を与えていると考えられた。
【結論】腎近位尿細管細胞HK-2は主に輸送を行い、血管内皮細胞HUVECは主にアルブミン-ISの解離に関与している。

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