演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

血液透析療法におけるアフェレシス技術の応用

演題番号 : GI-09-4

花房 規男:1

1:東京大学医学部附属病院腎疾患総合医療学講座

 

【背景】血液透析以外の血液浄化療法をアフェレシス療法と呼ぶ.アフェレシスと血液透析とは,血液浄化療法という点では共通である.アフェレシスは,通常はアルブミンよりも大きな物質の除去に用いられ,自己免疫性疾患を初めとする様々な疾患に対して適応がある.近年,二重濾過血漿交換の血漿成分分離膜を血漿分離膜に用いることで,より選択的に自己抗体を分離する選択的血漿交換に注目が集まっている.
一方,血液透析では,アルブミンは保持される分画に通常含まれる.膜分離では分子量による分離が行われ,その分画分子量も比較的幅広い分布を示すため,アルブミンに分子量がごく近い物質を除去しようとすると,アルブミン喪失量が増加してしまう.
【目的】今回,選択的血漿交換の分離膜を用い濾過を行い,濾過血漿から吸着によって不要な物質を除去する手法を考案した.その検討の途中経過について報告し,ご意見をいただきたい.
【方法】ダイアライザ後で,選択的血漿分離膜によりアルブミンを含め比較的大きな分子までの溶質を含む「血漿」を分離する.その血漿を各種吸着器により「血漿吸着」を行う.その過程で,カラム前後で,蛋白泳動による分子量別の蛋白量を検討する.
【考察】この方法を用いることで,従来の血液透析では不可能であったメリットが存在する可能性がある.1)大量液置換のオンラインHDFによっても除去できないような比較的大きな分子量を持った物質まで除去が可能となる.2)蛋白結合毒素など血液透析による除去が困難な物質の除去が可能となる.3)アルブミンは流血中に戻され,その喪失が低減できる.4)本法で使用する選択的血漿分離膜は凝固因子を濾過しないため,吸着側の回路凝固のリスクを低減できる.デメリットとして,回路が複雑であることが問題としてあげられる.いらいら感,慢性炎症・低栄養など従来の血液透析療法による効果があまり高くはない症状において,本法がよりよい臨床効果をもたらす可能性が考えられる.
【結語】濾過・吸着といったアフェレシス技術を,血液透析と融合することにより,より幅広い領域の物資を除去することができる可能性がある.

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