演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

免疫制御急性血液浄化システム(Immunomodulating Blood Purification System: IMBPS)

演題番号 : GI-09-3

西田 修:1

1:藤田保健衛生大学医学部麻酔・侵襲制御医学講座

 

我々は、高度侵襲時の治療戦略として、拡散、濾過、吸着の原理を最大限に効率化した間歇的高効率血液浄化:Sustained high-efficiency daily diafiltration using a mediator-adsorbing membrane (SHEDD-fA)を施行し、その有効性と強力なmediator除去能力を報告してきた。
現在,我々は、より積極的に免疫そのものを制御する血液浄化システムの構築に取り組んでいる。本システムは、生体内で起こる過剰な炎症反応を生体外に移動させるシステムである。回路内に活性化顆粒球の標的の場(1次カラム)を提供し活性化顆粒球を捕捉する。捕捉時に放出されたメディエータは、下流の2次カラム(濾過フィルター)で吸着除去し返血する。生体内での過剰な炎症反応を回避することで臓器障害を阻止する、「逆転の発想」の新システムである。先ず、1次カラムに潰瘍性大腸炎などで用いられる顆粒球と単球を捕捉するアダカラム(JIMRO)を用い、下流の2次カラムにメディエータ吸着特性に優れるAN69ST膜を組み込んだex vivoの循環回路のシステムで、基礎的検討を行った。LPS刺激された豚新鮮血は、アダカラム通過により各種サイトカイン、HMGB1を産生したが、下流のAN69ST膜により非常に効率よく除去された。本システムにより顆粒球貪食能は低下、顆粒球接着能の高い細胞数は著明に低下した。現在、生体豚を用いた実験で本システムの有効性を検討中であるが、活性化顆粒球が捕捉され、marginal granulocyte pool および骨髄からおとなしい顆粒球が補填されていることが示唆されている。臨床面では、AN69STの代わりにSHEDD-fAを組み込んだIMBPSを臨床倫理委員会の承認を受け臨床使用した。顆粒球の貪食能、接着能ともに低下する傾向にあった。これは、ex vivoの基礎的検討と同様の結果であった。基礎的検討を含めその臨床経過について報告する。

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