演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

PAD治療に向けた足場微粒子による細胞移植法の開発

演題番号 : GI-09-2

古薗 勉:1、佐藤 秀樹:2、福本 真也:3

1:近畿大学生物理工学部医用工学科、2:グンゼ(株)QOL研究所、3:大阪市立大学大学院医学研究科先端予防医療学

 

近年、糖尿病や慢性腎不全患者の増加に伴い、その合併症である末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease, PAD)が増加している。これら四肢末梢動脈の高度の狭窄や閉塞により、難治性潰瘍や壊疽へ至ると、生命の危機に至ることもある。重症患者への治療法としては四肢切断以外の選択肢がないことも多い。四肢を切断された患者では、QOLの低下や生命予後の不良など、治療後においても様々な負担が患者に残ることになる。そのため、四肢を切断せずに重症患者を治療するために、血管新生療法が研究されている。骨髄や末梢血中から採取した自己単核細胞の移植を行う細胞移植治療では、有効性が近年示されているが、その有効性は未だ十分なものではない。本研究では、この細胞移植治療に注目し、その細胞移植療法の有効性を高めるため、単核細胞と混合して移植する細胞足場微粒子(Injectable cell scaffold, ICS)を開発し、ICSと単核細胞を用いた血管新生療法の有効性を検討することを目的とした。
ICSは核に生体吸収性高分子、また外殻にハイドロキシアパタイトナノ粒子(粒径約50nm)から構成される微粒子状足場材料である。マウス単核細胞とICSとを混合した注射液をマウス虚血モデルの下肢に筋注することにより、カプランマイヤー法による下肢救肢率、血管増生観察、免疫染色などを用いて治療効果を評価した。その結果、細胞/ICS混合移植は細胞単独移植に比較して、高い効能が認められた。また非臨床試験および臨床試験(治験)に向けての戦略と問題点についても併せて発表する。

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