演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

超高齢化社会における腎代替療法の課題

演題番号 : GI-01-7

柴垣 有吾:1

1:聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科

 

わが国においては血液透析を中心とした腎代替療法は多くの先達の先生方の努力により、その技術や管理法など世界に類を見ない進歩を見せてきた。さらに、再生医療も日本は非常に優れた研究を行い、その恩恵が得られる日が来ることは夢では無くなっている感がある。しかしながら、その質の高い医療・研究が実際の患者の予後改善や幸福増進には必ずしも繋がっていない現状がある。その理由として大きいのが、透析患者の高齢化である。問題が複雑であるのは、高齢化が単純な寿命延長では無く、医学的には多くの併存症を抱えた不健康寿命の延長の場合も多く、社会的・経済的にも弱者が増加し、透析によって例え予後が延長したとしても、それが必ずしも患者の幸福に繋がるとは限らないことがある。特に、身体機能や認知機能の低下は自力での通院や透析以外の時間を有意義に過ごす弊害となっているし、独居や老老介護の増加は患者の自立を阻害し、社会的・精神的な孤立を深めている。多くの虚弱高齢透析患者は末期腎不全となると予後が相当に短いなどの極端な理由が無い限り、透析導入しか選択肢が無いことがほとんどである。さらに、多くの場合、腎代替療法は血液透析に偏っていることも問題である。超高齢化社会における腎代替療法の課題について会場の先生方と共有させて頂き、その対策を探りたい。

前へ戻る