演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

腎臓学会と透析医学会のレジストリー連携における課題

演題番号 : GI-01-6

横山 仁:1、杉山 斉:2、佐藤 博:3、山縣 邦弘:4

1:金沢医科大学病院血液浄化センター、2:岡山大学腎・免疫・内分泌代謝内科、3:東北大学臨床薬学分野、4:筑波大学腎臓内科

 

【目的】腎不全対策としてわが国の慢性腎臓病・保存期G4-5の調査からレジストリー登録および関連学会との連携における課題を検討した.
【方法】1)一般住民を対象とした特定健康診査受診者(40-74歳,332,174例)および石川県定期検診(18-103歳,44,087例)の調査,2)診療実態について金沢医科大学病院腎臓内科(通院820例),艮陵研究(登録2,692例)および日本慢性腎臓病コホート研究(登録3,087例)の解析,3)腎臓病総合レジストリー登録22,000例の疾患背景および腎臓病カードによる腎不全登録の連携について調査を行った.
【成績】1)住民検診:特定健診と石川県検診では,それぞれG4は0.20%と0.17%,G5は0.07%と0.05%であり,一般住民の保存期G4-5は,約22-27万人程度と推測された.2)専門施設通院コホートにおける保存期G4-5は,全体の22.0~26.7%であり,基礎疾患は一次性腎疾患(糸球体腎炎),糖尿病性腎症,(高血圧性)腎硬化症であった.3)腎臓病総合レジストリー登録19,133例中3,735例(19.5%)が保存期G4-5であり,その臨床診断は急速進行性腎炎症候群885例(23.7%),慢性腎炎症候群722例(19.3%),ネフローゼ症候群576例(15.4%),糖尿病を含む代謝性疾患250例(6.7%)であった.また,登録例の37.1%がCGA分類の高リスクと判断された.一方,非腎生検例を含めても腎臓学会レジストリーにおける糖尿病性腎症および腎硬化症の登録は少なく,通院患者および代替療法に導入される基礎疾患との乖離を認めた.
【結論】腎臓学会レジストリーの保存期G4-5は,腎炎・ネフローゼ症候群を主体とする末期腎不全の高リスク群であった.わが国において関連学会(腎臓学会,透析医学会,移植学会)が協力して,非腎生検例を含めた腎臓病の発症から透析療法・腎移植に至る登録システムの実施とこれによる腎臓病の実態解明・末期腎不全への進行予防を期待したい.

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