演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

小児末期腎不全患者の現状と問題点(とくに移行)

演題番号 : GI-01-4

服部 元史:1、佐古 まゆみ:2、岩野 正之:3

1:東京女子医科大学腎臓小児科、2:国立成育医療研究センター臨床試験推進室、3:福井大学医学部病態制御医学講座腎臓病態内科学領

 

小児末期腎不全(ESRD)に関する疫学調査は、小児腎不全研究会(1979年~1986年)、日本小児腎臓病学会(1998年~2002年)、小児PD研究会(1986~2005年)により実施されてきた。また日本透析医学会(1986年~)や日本移植学会日本小児腎移植臨床統計小委員会(2005年~)によっても実施されている。しかしながら、小児ESRDの全容把握は困難な状況であった。そこで、2012年に、日本小児腎臓病学会統計調査委員会の主導で、日本透析医学会や日本臨床腎移植学会等のご協力のもと、2006年~2011年の6年間における20歳未満のESRD新規発症患者の実態が後方視的に調査された。その結果、調査対象期間中に540人の小児ESRD患者を確認した。初回腎代替療法の選択は、PDが327例(60.6%)、HDが85例(15.7%)、先行的腎移植が118例(21.9%)、腎代替療法を開始しなかった症例が6例(1.1%)、そして未記載4例(0.7%)であった。
一方、小児患者の成人医療へのスムーズな橋渡し(移行: transition)が国内外で大きく注目されている。2011年には、国際腎臓学会と国際小児腎臓学会より、腎臓病患者の移行医療に関するステートメントが報告されたが、各国の実情に応じた移行医療の実践が求められている。そこで、わが国の小児腎臓病患者の移行医療の実情や問題点を明らかにする目的で、成人期に達した小児期発症慢性腎疾患患者の成人医療への移行に関する実態把握のための調査研究(班長:松尾清一)が実施されている。
本講演では、上記調査結果を提示しながら、わが国における小児ESRDの現状と問題点(特に移行)について報告する。
最後に、小児ESRD患者の疫学をしっかりと把握することは腎不全総合対策の点から重要であり、オールジャパンの疫学調査システムの構築を目指して今後さらに推し進めていく必要がある。
謝辞:お忙しいなか上記調査へご協力賜った先生方に心より感謝申し上げます。

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