演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

先行的腎移植の現状と問題~腎臓内科の立場から~

演題番号 : GI-01-3

西 慎一:1、中井 健太郎:1、吉川 美美子:1

1:神戸大学医学部附属病院腎臓内科

 

先行的腎移植(PEKT)は、透析医療を経ずして腎移植を受けるスタイルを指すが、近年日本ではその数が増加している。元々は、小児腎移植の中でこのPEKTは拡がり始めたが、特に最近では夫婦間でのPEKTがその数を増している傾向がある。2013年度日本臨床腎移植学会のまとめでは、全腎移植数の20%前後がPEKTに相当するとしている。ただし、このうち半数は、末期腎不全による尿毒症症状が進行しているため、やむを得ず数回の透析医療を受けた後に腎移植が行われている。本来であれば、透析医療を受けずに腎移植に至ることが望まれるが、ここに幾つかの問題点がある。それらを分析すると、
1) PEKTを希望しながら移植医に紹介された時点で既にCKDstage5で尿毒症症状が出現している。
2) 移植前検査を実施している間にレシピエント、ドナーに合併症が発見され、移植前検査が長期化し、PEKTを行うタイミングを逸する。
3) 腎移植待機患者が多く、移植施設での腎移植術の予定が先送りになり、PEKTを行うタイミングを逸する。
このようなPEKTを不成功に終わらせる問題点を解決するためには、移植医と腎臓内科の連携が必要である。また、PEKTを考慮している場合の腎代替療法に対する情報提供をどのCKD段階から行うか、一定の指針が必要であり、この点が腎臓内科医に周知されなければならない。

前へ戻る