演題情報

学会・委員会企画

開催回
第60回・2015年・横浜
 

腎移植登録と移植の動向

演題番号 : GI-01-2

八木澤 隆:1

1:自治医科大学腎泌尿器外科学講座腎臓外科学部門

 

移植成績の向上と多方面での適応拡大に伴い、腎移植の件数は年々増加し、2002年に年間1000件を超え、2011年には1601件の移植が実施されている。しかし、2011年以降は総件数に増加はみられず、年間1600件程度にとどまる横ばい状態となっている。生体腎移植数は微増を続けるものの、献腎移植数が減少していることが件数停滞の原因であり、2010年の改正臓器移植法施行後、脳死下献腎が増加する一方で心停止下献腎の減少が著しいことがこの背景にある。
微増する生体腎移植においては60~70歳台の高齢移植者・高齢ドナー、夫婦間移植の増加、先行的腎移植、短期間透析移植の増加、ABO血液型不適合移植の普及、原疾患の適応拡大、とりわけ糖尿病患者の増加などが主な動向として取り上げられる。一方、献腎移植においては現在の候補者選択基準から10年以上の長期透析歴を有する患者がほとんどを占めていることが特徴である。
献腎移植においては総数は減少しているものの脳死下献腎数は増加している。脳死下提供献腎移植の成績は心停止下提供のそれに比べて良好であり、この動向を一層推進してゆくこともこの医療の課題である。もちろん心停止下献腎を推進し、総献腎移植数の増加を図ってゆくことも従来通り不可欠である。
これらの移植を行う施設数は全国で約130を数えている。そして、総件数の約半数は年間20件以上の移植を行う約20の施設によって実施されている。今後、移植動向に対応する件数の増加、良好な成績の維持のためには地域、施設規模に応じた診療体制の整備が求められ、具体的には移植外科医、腎臓内科医、透析医の連携、移植コーディネーターの診療参入などの取り組みが必要となっている。
委員会企画では以上のような動向を紹介し、今後の課題について述べる。
(なお、現在、日本で実施された腎移植症例,生体腎ドナーの臨床データは、webによって登録、集計されている。)

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