演題情報

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開催回
第60回・2015年・横浜
 

18歳高齢猫に対する血液透析が有効だった1症例

演題番号 : WS-09-6

中島 永昭:1、宮本 賢治:2

1:ACC株式会社アニマルケアセンター、2:日本小動物血液透析協会

 

皮下輸液での治療維持が困難となった18歳(人換算年齢88歳)、体重2.82kgの慢性腎臓病の雑種猫 について、血液透析(HD)と食道チューブからの介入栄養による治療を試みた。HDのためにユニチカ社製ウロキナーゼ使用中心静脈用カテーテルUK-CATHETER KIT UA-1412-W(14G 30cm 穿刺針12G)を右頚静脈より中心静脈に、介入栄養のためにネラトンカテーテル(10Fr 30cm2側孔先端開口 トップ)を左頸部皮下より食道に全身麻酔下にて刺入した。ACT延長は未分化ヘパリン(ヘパリンNa注5万単位/50ml富士薬品工業)を初期投与は0.10ml/kg iv、維持投与は生理食塩水による10倍希釈液(100U/ml)を0.69ml/kg/時で動脈回路内にCRI投与した。ニプロ社製動物用血液透析装置NCU-Aに動物用表面改質セルロースダイアライザー0.05㎡(メラクリスタルフローMCA-0.05Lセット シングルチャンバー血液回路付き 体外循環量25ml 泉工医科工業)を装着し、カーボスター透析剤L(味の素)をpH7.45、Na156mEq/Lになるように装置内で調製し、透析液流量300ml/min 血流速度10ml/minで2.33時間実施した。介入栄養は猫用腎臓病食(k/d缶 ヒルズ、第65病日からは腎臟サポートパウチ ロイヤルキャナン)を安静時エネルギー要求量(RER)に合わせて、また水をRERのカロリーと同量ml与え、合わせて制吐剤、H2ブロッカー、アスピリン、血管拡張薬、利尿剤を食道チューブから投与した。
HDによりBUNは78mg/dLから48mg/dLに、CREAは4.0mg/dLから3.4mg/dLに、PHOSは9.6mg/dLから7.3mg/dLに改善した。eURRは0.38、eURR/tは0.16、eKt/Vは0.48であった。血液のpHは7.24であり透析前後で変わらなかった。透析3日後にはBUN 85mg/dL、CREA 4.3mg/dL、PHOS 8.5mg/dLに上昇した。しかしその後は徐々に改善し、さらなるHDの必要性は認められず、介入栄養と投薬だけで従来の支持療法に劣らぬ治療結果が得られた。同時に見られた貧血は、輸血とダルベポエチン週1回2μg/kg皮下投与に反応した。第124病日には体重2.93kg、BUN 45mg/dL、CREA 1.9mg/dL、PHOS 4.2mg/dL、第194病日には体重2.78kg、BUN 71mg/dL、CREA 2.8mg/dL、PHOS 4.5mg/dLで引き続き維持された。

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