演題情報

ワークショップ

開催回
第60回・2015年・横浜
 

伴侶動物に対する透析機器

演題番号 : WS-09-2

小森 正樹:1

1:自由が丘南口クリニック内科

 

【背景】伴侶動物の犬では大型で60kgから小型犬で3kg程度、猫の体重は7~3kgである。その中で、犬猫とも平均5~2kgの低体重動物の腎不全に対し血液透析を可能にする透析機器はほとんどない現状である。伴侶動物の犬猫は家族同然で、腎機能障害に陥った場合でも何とか助けてほしいとの飼い主の要望がある。
【小動物に適応した機器の現状】小動物血液透析では、農水省認可の透析装置で血液ポンプが6~150ml/minを備えた個人用透析装置で血液透析を施行していた。ヒト用装置では除水誤差±30ml/hで製造されているが、犬猫などの小動物用では低体重のため、除水誤差をほぼ「ゼロ」となるよう装置の調整をしていた。血液ポンプチューブ径は7パイを使用出来るように小型のタイプであった。ダイアライザは、農水省認可の0.05、0.1、0.2m2を使用いており、膜素材は、セルロースジアセテート(CDA)膜のみであった。血液回路は2種類あり、1つは、動脈側回路のチャンバーのみで静脈側にはありません(回路容量20ml)。2つ目は、動脈側、静脈側にヒト用回路と同様にそれぞれにチャンバーを備えていた。(回路容量22ml)。これは、猫など5~3kg前後の体重のタイプが多いことから、体外循環量を10%以内に抑える必要性から、動脈側回路チャンバーのみで透析を施行していた。また、超小型犬(5~2kg)以上の体重がある場合には、ヒト透析回路同様に動脈側、静脈側にチャンバーを備えた血液回路を使用していた。犬猫では、シャントの作成はできずヒト小児用の6~8Fのダブルルーメンを使用し、内径静脈をブラッドアクセスとしていた。治療中のカテーテル抜去防止のため、カテーテル固定は厳密に行っていた。透析中の経過観察にはヒト同様に血圧、心電図などを監視すると共に、小動物では、透析中の不均衡症候群や急激な変化を知る目的で直腸温をモニターする例も見られた。小動物血液透析では、透析装置性能を除水誤差ほぼ「ゼロ」としダイアライザは0.05~0.2m2のものを使用し、低体重にあった機器とサンプル量の少ない検査機器を選択しながら、慎重に血液透析を施行していた。このことから、ヒトと犬猫との種の違いはあると思われるが、ヒト透析療法にも参考になる方法や機器があると考えられた。

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