演題情報

シンポジウム

開催回
第60回・2015年・横浜
 

再狭窄病変への挑戦 ディバイスと開存率

演題番号 : SY-09-5

村上 雅章:1、森 典子:1

1:地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院腎臓内科

 

血液透析患者において、適切なVascular Access(以下:VA)を作製、維持する事は患者の生命予後やQOLに大きく影響を与える最重要課題の一つと言える.VAには一定確率で狭窄を生じる事は避けられないが、第一選択としてVascular Access Intervention Therapy(以下:VAIVT)による治療が行われている.VAIVTにおける臨床的成功率はどの報告でも比較的高いが、開存率が良いとは言えず、我が国で3か月未満のVAIVTが認められていない状況を考えると、開存期間の延長は患者様本人や医療従事者にとって切実な問題である.3か月以内の再狭窄症例に対して外科的治療を選択すれば、対応可能な症例はあるが、血管自体は有限であり、長期的にはVAIVTで対応せざるを得ない症例が存在する.しかし、現在では質の高い臨床研究で開存期間の延長効果を証明されたballoonは存在しない.また海外ではAVGに対して開存期間延長の効果が示されたステントグラフトも日本ではアクセスに対する使用は認められていない.
我が国で使用可能な一般標準、特殊型以外のballoonとして、scoring balloonであるNSEやAngiosculpt PTA balloon(分類上はスリッピング防止型)がある.これらのballoonが使用可能となり、2年程度経過し、ある程度症例が蓄積されてきた.当院での適応症例や効果、国内からの報告について述べる.
Peripheral Cutting Balloon(以下:PCB)については、以前に海外で大規模なrandomized controlled trialが行われ、AVG症例に対して開存延長効果は証明されなかったが、両群間でballoon sizeが異なる等の問題があり、さらにAVFは試験対象ではなかった.当院では「シャント早期狭窄に対するPCBによる開存率延長の効果についてランダム化比較臨床試験」(UMIN 試験ID:000009556)により、6か月以内の短期再狭窄症例のAVFやAVGに対して臨床研究を行っている(2015年2月現在109症例登録済).
アクセス自体の特殊性、多様性や患者背景の複雑さから、質の高い臨床研究を行い難い分野であるが、糖尿病や高齢者の増加による血管が荒廃した症例が増える中、新たなディバイスに今後求められる役割や、現在判明している効果について述べる.

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