演題情報

シンポジウム

開催回
第60回・2015年・横浜
 

長崎大学における先行的腎移植の現状

演題番号 : SY-06-4

錦戸 雅春:1、岩田 隆寿:2、望月 保志:2、酒井 英樹:2

1:長崎大学病院血液浄化療法部、2:長崎大学病院泌尿器科・腎移植外科

 

長崎大学では2006年より先行的腎移植を開始、これまで12例を経験した。同時期の生体腎移植55例に占める割合は21.8%で最近は増加傾向にある。
内訳は小児3例、成人9例、男性10名、女性2名、年齢は9~63歳(平均40.1歳)、原疾患は糸球体腎炎6例、低形成腎3例、糖尿病性腎症2例、多発性のう胞腎1例であった。移植医受診のきっかけは小児科よりの紹介3例、透析施設の腎臓内科医よりの紹介8例、本人希望1例であり、正式な受診時のs-Crは2.21~7.19mg/dl(平均5.07mg/dl)、eGFRは24.5~6.9ml/min(平均11.9ml/min)であり5例が10未満であった。受診から移植までの日数は34~275日(平均151.7日)、移植直前のs-Crは3.07~9.53mg/dl(平均5.92mg/dl)、eGFR18.2~4.7ml/min(平均5.9ml/min)だった。透析導入前の紹介にもかかわらず、先行的腎移植ができなかった症例は3例で、原因は透析導入直前の紹介、固有腎サンゴ状結石で移植前の腎摘出が必要なため透析導入を先行した等であった。
ドナーは両親5例、配偶者4例、その他の血縁親族3例でABO血液型不適合移植は6例(50%)、移植直前のバスキュラーアクセスは無し6例、有り5例で内シャント1例、FDカテーテル4例(すべてアフェレシス目的で挿入)で、有の症例はいずれも血液型不適症例でこのうち3例が直前に透析を併用した。
腎移植の経過は特に問題なく拒絶反応は2例(16.6%)で現在まで全例生着している。
当院ではCKD教育入院(腎臓内科)の際に腎代替療法の選択肢提示がなされているが、その際に移植医より腎移植の説明の機会もいただいている。また県内において「腎不全治療の選択肢」の市民公開講座も開いており、保存期患者さんに向けても透析療法のみならず腎移植及び先行的腎移植について説明を行っている。
まだわれわれは症例数も少ないが、先行的腎移植は成績もよく、QOLの低下を最低限にする利点があり、今後も保存期における適切な時期の選択肢提示と移植医への受診、スクリーニング期間と移植日程の調整をしつつ推進していきたいと考えている。

前へ戻る