演題情報

シンポジウム

開催回
第60回・2015年・横浜
 

先行的腎移植(PEKT)の意義と問題点

演題番号 : SY-06-1

森田 研:1

1:北海道大学病院血液浄化部

 

【目的】PEKTの頻度と意義、問題点について検討する。
【対象】1965年以降、2014年までに行われた腎移植総数335例中、生体腎移植は287例であった(男性183例、女性104例)。移植時年齢中央値:32(1-69)才。
【方法】時期別のPEKT件数の推移、アクセス設置状況と2週間以内の術前尿毒症調整目的の透析により3群に分けて、前医からの紹介状況、患者背景、移植後成績、合併症について調査し、PEKTの有用性について検討した。
【結果】透析時期別の推移:1965-1985年の黎明期は透析療法の長期維持が困難であり40例中移植前透析は散発的に7例(17.5%)に行われていた。CNI使用が開始された1986-1994年の10年間ではPEKTは39例中1例のみであり透析期間中央値は1.5(0.2-25.7)年であった。1995-1999年の5年間ではPEKT率は33例中9例(27.3%)と上昇、2000-2004年の37症例では10例(27.0%)、2005-2009年の72症例では20例(27.8%)、2010-2014年の67症例では21例(31.3%)と最近では3割を超えて増加傾向である。1995年以降のPEKT60例中、アクセス設置・術前透析のいずれも施行しなかったPure-PEKTは50例(83.3%)、術前カテーテル透析を術前2週間以内に施行したDLC-PEKTは6例(術前透析日数中央値:5)、AVF設置して透析を術前2週間以内に施行したAVF-PEKTは3例(術前透析日数中央値:14)、アクセスを事前に設置したが透析は施行しなかったSafety-PEKTは1例であった。この一例は10才男児でPure-PEKT予定であったがドナーに大腸ポリープが発見されたためAVFではなくPDカテーテルを埋め込み手術を施行し移植までの透析に備えたが、4ヶ月後に無事PEKTを施行できた症例であった。DLC-PEKT6例中、移植前の尿毒症管理目的は1例のみで他5例は抗体除去療法目的であった。AVF-PEKTは3例とも尿毒症管理目的であった。PEKT紹介元は、尿路原疾患により泌尿器科(自科)で保存期管理を行われていた一部症例を除き腎臓内科や小児科の前医がPEKTを患者に説明し紹介されていた。
【考察】当院では移植予定に余裕があり移植待機のために透析を導入することになる症例は認めていない。原疾患や患者状態により敢えて透析導入後の腎移植が適正と考えられる症例は少ないが存在すると考えられる。

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