演題情報

シンポジウム

開催回
第60回・2015年・横浜
 

高齢者の透析における透析量管理

演題番号 : SY-04-5

友 雅司:1

1:大分大学医学部附属病院血液浄化センター

 

本邦の維持透析患者は2013年12月31日現在で31万人以上となり、年末生存患者の平均年齢で67.2歳となっている。年末生存患者の中で65歳以上(WHO:世界保健機関が定義するところの高齢者) が占める割合は61.7%となっており、本邦において透析医療は高齢者の医療とも言える状態である。
高齢者の透析医療での透析量についての設定はどのように行われるべきであろうか。
一般社団法人日本透析医学会
「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」において透析量に関する記載では
最低確保すべき透析量として,spKt/V 1.2 を推奨する.(1B)
目標透析量としては,spKt/V 1.4 以上が望ましい.(2B)
とされている。
また、2006年の日本透析医学会の調査では、1回の透析あたりのKt/V ureaが1以下では死亡に関する危険度が増加するとされている。しかし、全年齢層を対象とした場合と65歳から74歳まで、75歳以上に分けての解析では65歳以上、75歳以上の群においてはKt/Vureaが1以下で死亡に関する危険度が増大する割合も少なくなってきている。
高齢者の多くは小柄であるとともに、蛋白摂取量も減少する傾向にある。したがって、Kt/Vureaのような小分子量溶質の除去のみにおいての評価にも限界があるのかもしれない。
また、高齢者においては食塩等の摂取増加もあり、加えて循環動態が不安定な症例が多く、透析時間の短縮・血流量を下げること等を余儀なくさせられることが多く、高齢者の血液透析においては透析量(溶質除去)の確保より、水分除去確保が優先される例もすくなくない。
このように、高齢者の透析管理においての透析量の設定を一律に決定するのは困難と考えられる。個々の症例の観察により、個別に設定せざるをえないのが現状である。
本セッションにおいて「高齢者の透析量に関して、何を指標とすべきか?目標透析量の設定は可能か?また可能であるならばその値はいくらなのか?」等について議論を深めたい。

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