演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第60回・2015年・横浜
 

透析患者の栄養管理の実際(2)

演題番号 : YW-04

小林 恵:1

1:(医)慶寿会さいたまつきの森クリニック栄養部

 

7年ぶりの改訂となる「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」が発表された。血液透析患者の食事療法基準は、2007年版からエネルギー、たんぱく質などについて若干の修正が加えられるとともに、患者の状況に応じて適宜調整を行うよう幅を持たせた内容となっている。食塩量はこれまでの基準と同様1日6g未満であるが、尿量、身体活動、体格、栄養状態、透析間体重増加など、個々の症例に合わせた調節が可能となるよう追記された。当院患者の透析間体重増加率は4.6±1.5%と比較的良好であるが、食塩摂取量はコンプライアンスのみならず体重や食事摂取量によっても個人差が大きく、4g/day未満から15g/day以上と幅広い(平均8.6g/day)。このようなことから、2014年版はより現実に沿った内容となったのではないかと思われる。同時に一人ひとりの患者を評価することが求められているものと考える。
一方で食事管理は一定期間集中的に行えばよいものではなく、長期に渡り定着させていくことが必要となる。そのためには理想を押し付ける指導ではなく、患者個々の生活背景や食習慣などを考慮して食事管理に対する患者の負担を軽減するような食事支援が望ましく、食事調査が不可欠となる。食事調査には、食事記録法、24時間思い出し法、食物摂取頻度調査法、写真撮影法など様々な方法があり、目的や患者に応じて使い分ける。食事調査は詳細であるほど精度は高くなるが、これらの調査が困難な患者には、食べた料理名のみメモしてもらうだけでも食生活の傾向は大よそ把握できる。
さらに、食事は生命を維持し活動するための栄養素を補給するだけではなく、楽しみや充実感などQOLに大きく関わる。検査データの改善を先行するあまり患者の食生活が乏しくならないよう、味付けの工夫や料理のレパートリーの充実化などの指導も重要となる。
透析患者の食管管理の現状と当院の取組み、今後の課題について述べる。

前へ戻る