演題情報

教育講演

開催回
第60回・2015年・横浜
 

On line HDFの最新の知見

演題番号 : EL-06

水口 潤:1

1:川島病院

 

血液透析濾過療法(HDF: hemodiafiltration)は血液透析(HD: hemodialysis)では除去し難い低分子蛋白領域の物質の除去効率を改善する優れた治療法であり、HDでは治療困難な多くの臨床症状を改善し、生命予後ならびにQOLの向上・改善を目的として取り組まれている。日本透析医学会の統計調査では2013年12月末のHDF全体の患者数は、31,276人であり血液透析関連治療全体に占める割合も10%を超えている.HDFにはさまざまな症状の改善が報告され,短期的な効果には、透析アミロイド症による骨・関節痛、皮膚掻痒症、皮膚乾燥症、色素沈着、イライラ感、不眠、食欲不振、レストレスレッグ症候群、末梢神経障害、腎性貧血、尿毒症性心膜炎などの改善がある。一方,長期的な臨床効果の可能性が検討されているものには、透析アミロイドーシス進行の抑制、発症の遅延、栄養指標の改善、免疫能改善に伴う感染症罹患率の低下、動脈硬化進行の抑制、尿毒症性心筋症の抑制など低分子量蛋白領域の尿毒素の蓄積が原因と考えられる病態がある。
補充液の面からは輸液製剤として供給される補充液を使用する古典的なHDFに対し、近年では大量の体液置換を行うために透析液を清浄化し、透析液と同時に補充液としても使用するon-line HDFが普及している。日本透析医学会の統計調査ではon-line HDF はHDF治療全体の75%を占めその置換液量は、後希釈において平均9.2L、前希釈において平均40.6Lであった。またHDとの比較では尿毒素除去の増加、栄養指標(CRP,%CGR)や貧血改善に有効であることが示されている.
今後の課題としては病態や目的の応じた希釈方法と置換液量の適正評価、治療量の指標として何が適切か、ハウジングを含めたHDFフィルターの再考、さらには優れた治療法であることを証明するために、より評価に耐える臨床評価試験への取り組みなどが必要である。

前へ戻る