演題情報

ワークショップ

開催回
第59回・2014年・神戸
 

新手法による透析液中に存在する細菌の迅速高精度モニタリング

演題番号 : WS-12-9

楢村 友隆:1、井出 孝夫:2、竹澤 真吾:3

1:純真学園大学 保健医療学部医療工学科、2:(医)医伸会いでクリニック、3:九州保健福祉大学 保健科学部臨床工学科

 

透析液の汚染管理は必須であり、いかに迅速にその不具合を検出するかが非常に重要である。しかしながら、細菌検出法として従来から用いられている培養法は細菌検出の基盤技術として深く浸透しているが、結果を得るまでに10日間程度を要し、決して迅速な検査法であるとはいえない。そのため、結果を早期にシステムにフィードバックすることができず、安全面に課題が残されている。
また、環境中に生息する細菌の殆どは通常の培養法による検出が困難であることが知られている。使用する培地に対して資化能を有さない細菌は培養できず、培養できない細菌は「存在しないもの」として扱われていることになる。圧倒的多数の細菌が「生きているが培養できないもしくは培養困難である(VBNC)」状態にあり、自然界では培養できる状態の細菌のほうがむしろ例外であると考えられている。透析液およびその製造工程をより安全に管理するためには、検査結果取得までの期間を可能な限り短縮し、より高精度な細菌モニタリング技術をもって透析液製造工程の汚染管理に臨むことが必要であると考える。
そこで、我々は迅速・高精度をキーワードに、蛍光染色法などの培養操作に依存しない細菌検出法について検討を重ねてきた。これらの手法を用いることにより、結果を1時間以内に得ることが可能となり、培養法で検出される細菌の数十倍から数千倍の細菌が透析液製造工程中には存在していることを明らかにした。さらに近年、既存の迅速高精度細菌検出法をさらに発展させた、サンプリング・前処理操作不要の細菌リアルタイムモニタリング技術を開発し、運用を開始した。当該システムを用いることで、高精度かつさらに迅速な細菌検出が可能となることに加え、経時的な細菌数変動を確認することも可能となった。
これらの新手法はイニシャルコストや小型化等、普及に向けた課題が未だ残されてはいるが、透析液清浄化の次世代モニタリング技術として期待できる。

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