演題情報

ワークショップ

開催回
第59回・2014年・神戸
 

バスキュラーアクセス管理に必要な超音波検査

演題番号 : WS-12-6

春口 洋昭:1

1:飯田橋春口クリニック

 

バスキュラーアクセス(VA)は、血液透析を行うために必須なものであり、その条件としては,(1)必要とする透析効率を得る、(2)長期に使用可能、(3)トラブルが少ない、(4)使用が容易、などがある。超音波検査は血流量や血管抵抗指数(RI)でVA機能評価が可能であり、また詳細な形態観察が行えるため、VAの管理広く活用されるようになってきた。具体的には、スクリーニングを目的として定期的に上腕動脈血流量やRIを測定することで、将来のVA不全を予測すること。透析に生じるトラブル(脱血不良、再循環、透析効率低下、穿刺困難など)の原因を追究すること、患者に生じるトラブル(静脈高血圧症、スチール症候群、瘤、感染など)の病態を把握して、治療法に結び付けることが挙げられる。さらにエコーガイド下PTAなど、術中に使用することも可能である。VA管理には、日常に行える理学所見や静脈圧、ピローの状態の観察を中心とした「モニタリング」とさらに積極的に定期的に特定の検査法でVA機能を評価ずる「サーベイランス」がある。エコーはサーベイランスとしての役割を有している。AVFにおけるサーベイランスの有効性は、近年報告されたメタアナリシスでも示されており、血流量によるサーベイランスを行うことによって、AVFの血栓閉塞の相対危険率が0.47に減少することが明らかとなった。一方AVGにおいては、最近サーベイランスが血栓形成の相対危険率を減少しないことが報告されており、現時点では、AVGは静脈圧や理学所見のモニタリングで十分な血栓予防が可能と考えらえている。しかし本邦においてはグラフトが最終的なVA である傾向が強いこと、および血栓発生率が自己動静脈を用いたVA の場合よりも高いことを考慮して2011年版の日本透析医学会のガイドラインでは、AVFもAVGもVAの血流量を指標にした管理を推奨している。当院は、すべて紹介の患者に対してエコーで管理・診断しており、PTAの適応や治療法のこのような背景を元に、当院におけるエコーでのVA管理の実際について報告する。

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