演題情報

ワークショップ

開催回
第59回・2014年・神戸
 

バイオインピーダンス法(BIA)を用いた身体組成モニタリングの活用法

演題番号 : WS-12-5

長尾 尋智:1

1:メディカルサテライト岩倉 透析室

 

【背景】
生体に微弱な交流電流を通電させ低周波数と高周波数の抵抗情報から除脂肪重量(FFM)、ECW、ICW、体脂肪が区別できる。この原理を利用した多周波数インピーダンス法(MFBIA)は早くから知られ計測機器の開発が進んだ。肥満者の体脂肪測定、透析患者の溢水、除水、脱水など体液量がモニタリングできることに期待が持たれた。
【活用方法】
MFBIA装置にはMLT-50(SKメディカル株式会社製)を使用した。本装置の測定周波数は2.5~350kHz、測定ポイントは140ポイント、測定時間は約10秒間、基本測定部位は右手、右足の4点電極法でテレビリモコン様の小型装置である。2005年からこの装置を用いた透析患者の身体組成分析、測定法やデータの解析、評価について多施設共同で検討した。2012年21施設1500症例の安定透析患者のhypovolemic DWおよびeuvolemic DW時の身体組成値は総体水分比(TBW/FFM)66.72±3.54%細胞内液比(ICW/FFM)43.01±5.02%細胞外液比(ECW/FFM)23.73±5.34%であった。本法のDW評価指標として各施設で運用されている。体水分評価では透析導入患者の除水目標を数値で設定できる。導入後の回復時に見られる体脂肪の増加をモニタリングしタイムリーなDWの修正が安定透析に有用である。また、ホスピー腎透析事業部臨床工学部では家庭透析患者に小型の装置を郵送し患者が測定後に返送、データベースで体重管理を行っている。通常診療においても管理ソフトにより多人数のデータを処理し数値評価しながら回診、カンファレンスに役立てている。また、栄養評価指標では、高齢による衰弱、癌の発症により入院が余儀なくされた群では体脂肪は早期に低下を始めALB,GNRIの栄養指標は徐々に低下した。食事量の低下、栄養低下が問題となる場合、BIAによる体脂肪の変化はより早く状態の把握ができる。栄養補助食品、栄養輸液などの介入の評価にも有用であった。BIAは数種の装置が存在するがそれぞれのアルゴリズムが異なるため同一の評価は難しいと考えられている。しかし、その特徴を理解した臨床運用は有用であると考える。

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