演題情報

ワークショップ

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析液カルシウム(Ca)・リン濃度を考える。

演題番号 : WS-05-4

重松 隆:1、龍田 浩一:1、是枝 大輔:1

1:和歌山県立医科大学 腎臓内科学

 

【背景】リンは透析液に含まれておらず濃度勾配は最大である。Caは細胞外液中ではイオン化Ca(Ca2+)、錯塩結合Ca、蛋白結合Caの3分画からなり、Ca2+と錯塩結合Caが透析療法では膜を介して移動する。しかしこの3分画は酸塩基平衡の影響を受けるため予測は難しい。わが国ではHDではセントラル供給のため、最大公約数としての透析液Ca濃度が選択されている。
【実際の透析液と結果】リンの出納をは尿中排泄を無視すれば、経口摂取と透析除去のみとなる。透析によるリン除去量の実測を行なうと、透析回数>透析時間>QB>膜面積となった。従って高リン血症対策は、透析法の工夫と食材変更とリン吸着剤使用によりかなりカバーできるようになった。低リン血症はリン経口摂取の増大が基本であるが容易ではない。次善の策として経口補給が望ましい。ICU等でのCHDFの継続の際などを除けば、透析液へのリンの添加の必要性は多く無いだろう。
Caに関しては、HDではCa濃度 2.5, 2.75, 3.0, 3.5mEq/L濃度の透析液が併存している。3.5mEq/L透析液は明らかにCaバランス正となる。症例により大きく事なるが、我々の検討ではCa 2.75mEq/L透析液はもっともCaバランスが±0に近い透析液であった。生体のCaバランスを大きく正にするVDRAやCa製剤の処方を前提とすると、Ca 2.5mEq/L濃度が適正となろう。血清Ca低値例が多い高齢者となるとCa 3.0mEq/L濃度透析液は適正となろう。アルカリ透析液カーボスターはCa濃度は3.0mEq/Lとなっているため、透析後は高総Ca血症と低Ca2+血症が併存する状況となる。このためPTH上昇と高Ca血症が同居する事があり得るので、非Caリン吸着剤とシナカルセトの使用頻度が上がる。
【結語】リンでは透析液は選択しがたいので、Ca濃度にて医療者の好みと薬剤使用に応じて透析液を選択すれば良い。演者は最大公約数を最も満足しやすく、透析時間や透析回数やon line HDFなどの透析法の変更でも、組成をあまり気にしなくても良いDCa2.75mEq/Lを好んでいる。わが国でも透析液Ca濃度は、次第に2.75mEq/Lが支持されて来ているのかもしれない。

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