演題情報

ワークショップ

開催回
第59回・2014年・神戸
 

ESA低反応症例の予後

演題番号 : WS-01-5

本田 浩一:1

1:昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門

 

ESAの普及に伴い腎性貧血管理が容易となった一方で、造血に対するESAの反応性の違いが生命予後に関係することが問題となっている。これまでに幾つかの保存期および透析期腎不全患者を対象とした大規模臨床試験(Normal Hematocrit 試験、CHOIR試験、CREATE試験、TREAT試験)が実施され、貧血の正常化あるいはHb値13g/dL程度に近づける管理が患者予後を悪化させるエビデンスが蓄積している。その後のサブ解析では、高い目標Hb値の維持よりもESAの反応性が問題であることが明らかにされた。ESA治療の反応性が良く目標Hb値に到達できる患者では、目標Hb値が高く設定されても必ずしも予後不良につながらない結果であり、低Hb値が持続して高用量ESAを要する患者の予後が不良であることが報告された。
しかし、ESA低反応性の病態は複雑であり、反応性に影響する因子は多岐にわたる。鉄充足状態、慢性炎症や栄養障害、合併症等に因子が単独で、あるいは複合してESA反応性を低下させる。また、最近のCHOIR試験のサブ解析結果では、ESA治療により達成したHb値が11.5 ~ 12.7g/dL、あるいは≧12.7g/dLと反応性が保たれていても、ESAの投与量が低用量であった患者に比べて高用量で管理された患者の予後が悪い結果が報告されている。
これらを踏まえると、ESAの反応性を低下させる未知あるいは既知の因子を有した患者(ESA低反応を示す患者)では目標Hb値を目指した高用量ESA治療が予後を悪化させる、さらにESAにより貧血改善効果が得られる患者でも相対的なESA投与量が増加すると予後に影響する(高用量ESA療法そのものの影響)ことが考えられる。
本ワークショップでは血液透析患者のESAの反応性と予後について、ESA反応性への影響因子と高用量ESA治療、ESA投与量と予後の関係を中心に考察する。

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