演題情報

シンポジウム

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析患者への分岐鎖アミノ酸補充による血清アルブミン値改善効果

演題番号 : SY-09-2

武政 睦子:1、市川 和子:2、佐々木 環:3

1:川崎医療福祉大学 臨床栄養学科、2:川崎医科大学附属病院 栄養部、3:川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学

 

慢性腎不全におけるアミノ酸代謝異常の主な原因の一つは蛋白異化亢進状態つまりprotein-energy wastingである。必須アミノ酸の中でもバリン・ロイシン・イソロイシンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、末梢組織特に骨格筋、腎臓で代謝され、慢性腎不全では血清BCAA値が低下している。また、エネルギーのたんぱく質節約作用として、エネルギー摂取量の不足状態ではたんぱく質はエネルギー源として利用され、たんぱく質利用効率は低下し蛋白・アミノ酸代謝異常につながることが知られている。今回、血液透析(HD)ならびに腹膜透析(PD)患者にBCAA含有食品の摂取による血清Alb値の改善効果を得ることができたので紹介する。
外来通院中のHD患者で,試験開始前に本人から文書による試験参加の承諾書にサインを得、同意が得られた12名(男性4名・女性8名、年齢62.7±4.7歳、HD歴179.3±142.8カ月)を対象とし、通常の食事にBCAA4000mg含有食品「アミノガレット(テルモ株式会社)」を1本/dayを8週間摂取した。血清Alb値が3.5g/dl以下の群(A群)は、血清Alb値はが3.3±0.4g/dlから3.6±0.5g/dlと有意(p<0.05)に増加し、血清Alb値が3.5g/dlより高値の群(B群)は、血清Alb値が3.9±0.2g/dlから3.8±0.3g/dlと変化がなかった。血清Alb値が3.5g/dL以下のHD患者は、BCAA4000mg/dayの補充がAlb合成を促進することが確認できた。総BCAA摂取量はA群が10.2±1.4g/day、B群が9.7±2.4g/day、エネルギー摂取量は、A群が27.6±6.5kcal/IBWkg/day、B群が28.3±10.3kcal/IBWkg/day、たんぱく質摂取量は、両群ともに1.0±0.2g/IBWkg/dayであった。
また、PD患者においても同様の結果を得、症例を紹介する。
今後低Alb血症透析患者の栄養管理には、アミノ酸とエネルギーの補給が重要であり、2007年WHO/FAO/UNUから報告された成人の必須アミノ酸推定平均必要量を基に、適量アミノ酸ならびにエネルギー摂取量の検討が必要である。
利益相反 無

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