演題情報

シンポジウム

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析患者の中枢性睡眠時無呼吸症候群

演題番号 : SY-06-5

奥野 仙二:1

1:白鷺病院

 

呼吸による気流が停止した状態が無呼吸、低下した状態が低呼吸であり、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数の合計は、無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼ばれている。このAHIが15以上、もしくはAHI 5以上に加えて、日中傾眠や途中覚醒などの症状を伴う場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断される。SASは、睡眠中に発生する上気道の閉塞により、無呼吸や低呼吸となる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と呼吸中枢の活動停止による中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)に大別される。チェーン・ストークス呼吸症候群は、周期的な呼吸の変動で、無呼吸あるいは低呼吸と過呼吸が交互にみられ、呼吸振幅は徐々に増減するのが特徴であり、CSASの一つに分類されている。一般的には、SASのほとんどが、OSASであるが、重症うっ血性心不全のような心機能障害や脳血管障害などの中枢神経障害では、CSASも比較的高頻度にみられる。
このように、脳血管障害患者ではOSASおよびCSASがみられ、脳血管障害患者の72%においてAHIが5以上の睡眠呼吸障害がみられ、その7%はCSASであったことが報告されている。また、急性脳血管障害患者では、26.1%にCSASがみられたとの報告もある。急性脳血管障害に伴うCSASは、心不全を合併していない限り、原則として次第に改善するとされている。脳血管障害患者に合併するCSASは、換気応答を生理的に抑制している中枢神経系が障害されることにより、換気応答が亢進することで発生すると考えられている。
透析患者では、SASを合併する頻度は約50から70%程度と報告されており、一般人口での合併頻度と比較して高率である。透析患者におけるSASにおいても、OSASの頻度が高いが、CSASの成分を一部含んでいることが特徴の一つとされている。血液透析患者のCSASでは、透析日よりも非透析日のAHIが高値であったとの報告もあり、肺うっ血の関与が示唆されている。また、SASを合併した透析患者では、血中二酸化炭素分圧などを関知する化学受容体の反応性の異常を認めたことも報告されている。CSASの治療としては、持続陽圧呼吸(CPAP)や在宅酸素療法が行われており、腎不全患者のCSASに対しても、これらの療法が有用であったとことが報告されている。

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