演題情報

シンポジウム

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析患者の無症候性脳血管障害

演題番号 : SY-06-2

長沼 俊秀:1、武本 佳昭:1、仲谷 達也:1

1:大阪市立大学医学部附属病院 泌尿器科人工腎部

 

日本透析医学会の統計調査によれば2012年度末の透析患者の死亡原因分類では、脳血管障害による死因(7.5%)は、心不全(27.2%)、感染症(20.3%)、悪性腫瘍(9.1%)についで第4位を占めている。脳卒中の合併は患者の日常生活に制限をきたしQOLを損ねることは言うまでもなく、血液透析においては通院治療が困難となるため、脳血管障害の予防や適切な治療は非常に重要である。近年、無症候性脳血管障害の将来の脳卒中、認知機能障害、運動機能障害や認知症の発症との関連が報告されており注目されているが、透析患者の無症候性脳血管障害に関する臨床研究報告はかなり限られている。我々は脳血管障害の既往のない血液透析患者に対し脳MRI(n=179)を施行し、無症候性脳梗塞(silent cerebral infarction : SCI)、大脳白質病変(White matter hyperintensities; WMHs)、無症候性微小脳出血(cerebral microbleeds:CMBs)等のcerebral small-vessel diseasesについて検討した。横断的検討では、SCIは41.3%、WMHsのサブタイプのうち、periventricular hyperintensity (PVH)が44.1%、deep and subcortical white matter hyperintensity (DSWMH)が46.9%、CMBsが25.1%で、いずれもコントロールの健常人より有意に頻度が高かった。また、フォローアップ期間の中央値38.4(0.5-72)ヶ月の縦断的研究によってSCI、PVH、DSWMH合併透析患者では、合併していない患者と比較してCardiovascular disease (CVD)の発症頻度が有意に高値であった。これらのことより、透析患者のcerebral small-vessel diseasesはCVDイベント発症の危険因子の一つであると考えられた。

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