演題情報

シンポジウム

開催回
第59回・2014年・神戸
 

高齢CKD患者の透析導入予後を考慮した保存期管理

演題番号 : SY-02-5

前島 洋平:1、田邊 克幸:2、槇野 博史:3

1:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 CKD・CVD地域連携・心腎血管病態解析学、2:岡山大学病院 血液浄化療法部、3:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学

 

本邦における2012年末時点での新規透析導入患者の平均年齢は68.4歳で、年齢別では、75~79歳が最多であり、65歳以上が6割以上を占める(日本透析医学会統計調査)。導入原疾患については、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症に比して腎硬化症による導入患者平均年齢が74.9歳と最も高い。一方、透析患者の死亡は増加しており、導入後1年以内の死亡原因では、心不全、感染症が約25%と最多で、悪性腫瘍が第3位である。透析患者全体の死亡原因でも、心不全、感染症、悪性腫瘍、脳血管障害、心筋梗塞の順となっている。 高齢は血液透析導入後の予後不良因子とされているが、その背景として、基礎体力低下、動脈硬化・心不全に関連した体液調節能の低下、導入時期の遅延・緊急透析導入による感染症・心不全に伴う死亡のリスクや、入院長期化によるADLの低下等が考えられる。一方、高齢者を含むCKDステージG5患者にて、早期透析導入は導入遅延群に比して生存率の改善が明らかではないという報告もある。 保存期CKD患者の腎専門医への早期紹介・管理による腎機能低下の抑制効果が報告されている。また、腎専門医においてKDIGO のCKD診療ガイドラインに基づく多角的管理を実施することにより、標準治療群に比して計画的透析導入が増加し、入院回数・期間が減少し、総死亡が有意に低下したことが報告された(Chen Y, NDT, 2013)。 岡山大学では、岡山市CKD病診連携ネットワーク(OCKD-NET)による比較的早期のCKDステージからの腎専門医による定期的管理を推進している。また、腎臓内科と循環器内科の連携による、CKD患者におけるCVDスクリーニングを実施するコホート研究を開始しており、高リスク例では循環器内科によるCVD管理を実施している。CKD診療ガイドライン2013でも、高齢の保存期CKD患者における血圧管理、血糖管理、塩分・たんぱく制限、脂質管理等における注意点・管理目標が掲載されている。 適切な高齢保存期CKD患者の治療管理による、透析導入後生命予後の改善が期待される。

前へ戻る