演題情報

シンポジウム

開催回
第59回・2014年・神戸
 

保存期の貧血管理と透析導入予後

演題番号 : SY-02-2

西 慎一:1

1:神戸大学大学院 腎臓内科 腎・血液浄化センター

 

保存期の腎性貧血治療は、Epoetin時代は末期腎不全が近づくにつれHb値が低下し、導入時平均Hb値は8.3 g/dL前後に低下することが一般であった。2007年以降、Darbepoetinα、Epoetinβペゴルが保存期の腎性貧血治療に保険適用となってから、末期腎不全期においてもHb値の維持が比較的容易となり、現在では、Hb値は10.0 g/dLの前後で導入することも可能となった。
透析導入時のHb値がその後の患者生命予後、心血管系予後に影響するかどうか、以前より議論があった。日本透析医学会の統計データによれば、2007年度末のHb値が、透析導入後の生命予後に影響を与えるかどうか評価している。性別、年齢、主な原疾患、eGFRで補正したHb値からみた場合、Hb値8.0以上9.0 gd/L未満を対照とした場合、7.0 g/dL未満の低いヘモグロビン値において高い死亡のリスクを認め、一方、11 g/dL以上の高いヘモグロビン値においても高い死亡のリスクを認めた。このような結果が出現した理由は定かでないが、注意すべき結果である。結果の背景には、ESA低反応性、ESA高用量の影響などが関与してないか懸念される。ただし、Hb値が7.0~11.0までの幅広い範囲で透析導入された患者の生命予後は大きく変わらないとも言える。その後、日本透析医学会の統計調査において同様の検討は施行されていないが、ESAの種類として長期作用型薬剤が出現したことにより、2007年度末症例と同様の結果が存在するのかどうか日本透析医学会としては再度検討が必要と思われる。既に発表されている論文も含め、自経例も合わせ、透析導入時のHb値と透析導入後の患者予後との関連をまとめて発表したい。

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