演題情報

特別講演

開催回
第59回・2014年・神戸
 

腎臓EPO産生細胞を巡る最近の話題

演題番号 : SL-1

山本 雅之:1

1:東北大学大学院医学系研究科 医化学

 

エリスロポエチン(EPO)は赤血球産生を促進するホルモンであり、成体では貧血や低酸素環境に応答して、主に腎臓で産生される。私たちは、腎臓におけるEPO産生細胞(REP細胞)を同定し、その性状解析を進めている。REP細胞は、腎臓の間質に存在する突起に富んだ線維芽細胞様の細胞であり、神経細胞マーカーを発現している。REP細胞は、腎臓にストレスがかかると筋線維芽細胞に形質転換するので、腎臓の線維化病態に深く関連することが伺える。私たちは最近、マウスのEpo遺伝子改変により、重度の腎性貧血を呈するに至ったISAMマウスを作製した。ISAMマウスは生殖可能なので、本マウスを利用した遺伝学的解析から、REP細胞と腎線維化の関連に関して新たな知見が得られた。また、loxP配列を組み換えることができるCre酵素をEpo遺伝子の制御下に発現するEpo-Creマウスを作製して、腎臓におけるREP細胞の存在範囲を同定した。本研究から、REP細胞は腎臓における生理と病態に深く関わる細胞であることが明らかになった。腎臓病進展およびその抑制の鍵と考えられる腎エリスロポイエチン産生(REP)細胞についての最新の知見を紹介したい。

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