口演
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透析患者の心機能低下に対するL-カルニチン静注製剤の有用性について 演題番号 : O-0090 小寺 智子:1、篠田 佳世子:1、垣 隆之:1、田仲 紀子:1、上村 元洋:2 1:北条田仲病院、2:田仲北野田病院
【目的】カルニチンは心筋のエネルギー代謝に必須であるが、透析患者では著しく欠乏している。そこで、心機能低下に対するカルニチン静注製剤の有用性について検討した。
【方法】心機能低下を認める血液透析患者27名に対し、L-カルニチン1000mgを週3回透析後に8週間静注し、投与前後で、透析前の血中カルニチン濃度、NT-proBNP、心エコー(EF、E/e’)を測定し、比較検討した。 【結果】血中カルニチン(TC、FC、AC)濃度は投与前38.0 μmol/L、24.3 μmol/L、13.7μmol/Lから8週後334.4 μmol/L、221.3 μmol/L、113.0 μmol/Lへ有意に上昇した。NT-proBNPは17766 pg/mLから12638 pg/mLへ改善傾向を示し、EF、E/e’もわずかながら改善傾向を示した。 【考察】静注製剤は経口製剤に比し、アドヒアランスや個体間の腸管吸収の影響がないと考えられ、8週後には十分なカルニチン血中濃度が得られた。NT-proBNP、EF、E/e’にも改善傾向を認めた。さらに観察期間を延長し検討する予定である。 |
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