演題情報

学会・委員会企画

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析のシステマティックレビューを考える

演題番号 : GI-01-4

神田 英一郎:1

1:東京共済病院 腎臓内科

 

診療ガイドラインは、医師患者が適切な医療に関する意思決定を行えるよう支援するために系統的作成された指針である。しかし、現在様々な診療ガイドラインが存在するが、その作成方法やエビデンスの質は統一されていない。
 2011年、米国議会の要請を受け、米国アカデミー医学研究所(Institute of Medicine of the National Academies:IOM)は、信頼のおける診療ガイドラインとシステマティックレビュー策定のために基準を提唱した。IOM基準によると、「診療ガイドラインはエビデンスのシステマティックレビューと複数の治療選択肢の利益と害の評価に基づいて患者ケアを最適化するための推奨を含む文書である」ため、診療ガイドラインの作成にシステマティックレビューが必要となる。
 システマティックレビューとは、明確に定式化された疑問について、関連した研究を特定し、データを集めて解析する、系統的で明確な方法を用いるレビューである。手順の概略は以下の通りである。(1)疑問を定義する。(2)文献検索を行う。データを集める際には、コクランライブラリーのような既存のレビューのほか、PubMedや医中誌などを駆使し、できるだけ網羅的に文献を入手するよう努力する必要がある。(3)集めたデータの組み入れ基準と除外基準を適用して文献を選別する。(4)文献からデータの抽出を行う。(5)データ解析を行う。
 全体的な治療効果の推定値の統合、異質性の検討そしてバイアスの調査を定量的に行うために、メタアナリシスを行う。メタアナリシスの目的は、文献のデータを統合することにより、全体のサンプルサイズを大きくし、統計的な検出力を高め、既存の報告をまとめることにある。メタアナリシスはその方法上どのような質の研究も含んで解析できるため、エビデンスの低い研究も含んで解析してしまうことがあり、その結果を誤った方向へ導く危険がある。
 これまでの透析に関する臨床研究には様々なデザインや質のものがあり、すべてを使用することはできない。質の高い透析ガイドラインを作るためには、まず透析ガイドラインの方向性を明確にし、それに基づいてエビデンスの評価および解析方法を検討する必要がある。

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