演題情報

教育講演

開催回
第59回・2014年・神戸
 

急性血液浄化療法の進歩

演題番号 : EL-10

中村 司:1

1:新松戸中央総合病院 腎臓内科

 

【目的】急性血液浄化療法の進歩は著しい。PMX-DHP療法は日本で開発され臨床応用されてから20年以上経過し欧州を中心に世界10カ国以上で施行されている。今回、演者らの施設および世界のPMX-DHPの臨床成績、臨床研究報告を概説する。【方法】1996年1月から2014年1月までの敗血症性ショック患者約800症例、重症呼吸器疾患(IIP急性増悪、ARDS)約50症例に施行したPMX-DHPと非施行群約700症例の臨床成績を後ろ向きに比較検討した。また、近年注目されている敗血症性ショックのバイオマーカーであるpresepsin、sTRIL, endocan, citrullineの研究報告および演者らがPMX-DHP前後で測定した症例のデータを提示する。さらに、演者らが経験した稀な敗血症性ショックにPMX-DHPを施行した症例を提示する。【結果】敗血症性ショック患者における救命率はPMX-DHP群は76.2%, 非施行群は60.2%, 重症呼吸器疾患における救命率は各群62.8%, 40.2%でそれぞれ有意差を認めた。その他の臨床成績はスライドに提示する。バイオマーカーに関しての報告では、敗血症性ショック患者では血中presepsin, sTRIL, endocanは正常者よりも有意に増加し、citrullineは有意に低下し、重症度と相関した。演者らが施行したPMX-DHP症例で救命した症例では上記マーカーの変化率は死亡群よりも大きかった。PMX-DHPを施行した稀な症例はスライドに提示する。【考察】約20年間の演者らの成績から敗血症性ショックにおけるPMX-DHPは安全かつ有効であった。敗血症性ショックにおけるバイオマーカーの研究は多数報告されているが今後パネル化し種々のマーカーを組み合わせて重症度を速やかに判断しPMX-DHPの適応を考慮することが重要である。また、呼吸器領域での当療法施行症例が増加しており正式な保険適応が認可されることを期待したい。【結論】PMX-DHPは日本で開発され日本が誇れる治療法の1つである。

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