演題情報

教育講演

開催回
第59回・2014年・神戸
 

種々の血液浄化器の特徴とその使い分け

演題番号 : EL-08

峰島 三千男:1

1:東京女子医科大学 臨床工学科

 

個々の患者に対する血液浄化器の使い分けに関連して、本学会では「血液浄化器の機能分類」を策定し・提示してきた。1996年に最初の分類がなされ、その後HDF療法の保険収載への対応のため1998年に改定がなされ、内部濾過促進型ダイアライザが台頭してきた2005年に3度目の分類がなされたが、その時から診療報酬上の機能区分との間に齟齬が生じた。一方、溶質除去性能以外の側面(生体適合性等)についても考慮すべきとの指摘やオンラインHDFが認められた今日の状況を反映した性能基準に修正すべきとの意見が出され、昨年大幅な見直しがなされ「機能分類(中空糸型)2013」が出された。以下にその特徴を示す。従来からのβ2-ミクログロブリン(MG)等の性能による2分類(I型、II型)に加えS型が新設され、それぞれの血液透析器はI型/II型/S型のいずれか1つの型として使用されなければならないとされている。I型、II型血液透析器に関してはβ2-MGのクリアランス(CL)70mL/minを境界値として分類されており、さらに蛋白非透過/低透過型(a型)と蛋白透過型(b型)に細分類することとし、アルブミンふるい係数0.03(BCG法)をその境界値としている。シャープな分画とブロードな分画の血液透析器を患者ごとに使い分ける必要性が強調されたことになる。S型血液透析器は特別な機能をもつものと定義され、具体的には生体適合性に優れる、吸着によって溶質除去できる、抗炎症性、抗酸化性を有するなど、従来の溶質除去能(尿素、β2-MGのCL)による分類とは異なる血液浄化器として新設された。2013年の時点ではEVALとPMMA血液透析器がS型とされているが、今後新たな膜素材による血液透析器が開発された場合には、そのつど審議するものとされている。血液透析濾過器については後希釈用、前希釈用の新しい性能基準値が提示されたが、個々については、そのどちらかの基準を満たしていればどちらの希釈法にも使用でき、また逆濾過透析液を用いた「間歇補充用」にも使用できるとしている。現在市販されている血液透析濾過器の仕様は高性能血液透析器のそれと大きく異ならない。オンラインHDFの普及とともに、今後至適設計にもとづく専用血液透析濾過器の開発が見込まれる。

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