演題情報

ベーシックセミナー

開催回
第59回・2014年・神戸
 

透析患者の電解質・酸塩基平衡を読み解く

演題番号 : BS-06-3

浅野 学:1

1:池上総合病院腎臓医療センター

 

電解質・酸塩基平衡は腎臓によって調節されている。これらのバランスは吸収と排泄だけでなく体内における分布・移動が加わり、一元的に解釈することは難しい。健常者においては、電解質・酸塩基のバランスは無意識のうちに腎臓において調節されるが、透析患者ではこの調節機能が廃絶しており、通常調節可能な電解質・酸塩基の変化であっても容易に異常な病態となり得る。そのため透析患者においては、透析という意識的な調整が必要となる。
我々が電解質・酸塩基平衡の異常に対応するにあたって参考にすべき検査は、血液生化学検査および血液ガス分析である。しかし、これらの検査から得られる値は循環している細胞外液である血液における値であり、体液全体に及ぶものではない。しかも、その数値が示しているものは濃度であるため、溶質と溶液との相対的な関係をあらわしているに過ぎない。さらに透析患者の場合、透析間の体液量変化、投与されている薬剤の影響や透析による修飾が加わり問題は複雑となる。
本セミナーでは体液バランスに深く関わっているナトリウム、カリウム、クロールおよび重炭酸に着目する。透析患者における病態生理、基準値、異常値となる原因、臨床症状およびケアについて可能な限り単純に解説したい。ナトリウム・クロール値異常については水分とのバランスを、カリウム値異常については酸塩基平衡との関係を中心に、当科で経験した症例をあげながら皆さんと考えてみたい。透析患者を診る上で必要な電解質・酸塩基平衡にかかわる検査値の意味を再確認することによって、「考える透析」の実践にお役に立てれば幸いである。

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