演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

透析患者の口腔環境と口腔ケア

演題番号 : YW-19-1

毛利 謙三:1、松岡 哲平:2

1:サンシャインM&Dクリニック 歯科・歯科口腔外科、2:大誠会

 

透析患者の口腔環境は、う蝕や歯周病に罹患しやすい状態にあります。口の中には多数の口腔細菌が存在します。これら細菌はバイオフィルムというバリアーを作り出して自分たちを守り、う蝕や歯周病を発症させ、さらに進行させていきます。う蝕と歯周病はりっぱな感染症です。易感染性である透析患者の口腔環境をどのように整備中すれば良いのでしょうか。 また近年、歯周病と全身疾患との関係についての研究が行われるようになりました。歯周病が糖尿病や心疾患などの原因になったり、さまざまな症状を修飾することが判明してきています。血糖値のコントロールがあまりうまくいっていなかった糖尿病患者が、内科治療に加えて歯周病治療を行い、しっかりと歯みがきするようになったら、血糖値が安定してきたという報告もあります。透析導入の原因疾患の第1位は糖尿病です。歯周病と慢性腎不全は直接ではありませんが、大いに関連しているのではないでしょうか。本施設の透析患者の約半数は、う蝕や歯槽膿漏を自覚していました。しかし、歯科治療を受けたくないと思っている透析患者が多く存在していました。それはなぜでしょうか?歯科治療を受けたくない理由で、もっとも多かったのが透析日以外に歯科医院を受診するのが面倒という理由でした。透析患者の多くは、透析日以外は歯科医院へ通わずに自分の時間を大切にしたいと思っています。また、透析患者は一般歯科治療患者に比べて、痛みに敏感になっています。 そこで、透析患者の口の中の状態と歯科治療に関する思い、そして自分の時間を大切にしたい透析患者にとって効率的な口腔ケアの方法、さらに多くの歯科医師が透析患者の歯科治療、特に抜歯など比較的侵襲を伴う治療は行いたくないと思っている理由と透析患者に対する歯科治療の工夫を述べさせて頂きます。

前へ戻る